■日本から飛行機で約5時間離れたハノイにいる僕。近親ではまだ、仙台の銀行員の弟から返事もないし連絡も入らない。仙台の母が元気であることは既に書いた。いま、このハノイから出来ることは何かだ。僕に少し可能なことは、ベトナム人のこの震災に対する思いとか衝撃とかの感想を聞く事だろうと思って、また、朝からここを書き始めた。BBCのニュースを始め海外メディアの放送ぶりも気づいたことがあれば書こうとおもう。BBCもCNBCニュース、NHK国際放送(何故か英語のみ)なども、繰り返し気仙沼、三陸あたりの津波映像、火事の映像を流している。福島の原発の建物上部破壊の写真も何度もテレビで流れている。だが、東京の画像はほとんど無い。
震災の起きた11日の3時前はハノイの郊外にあるハノイ第一農業大学で初めての当校学生募集のためのセミナーの最中であった。350名以上の学生が「日本の農業関係企業に就職したい」「日本は今後農業に力を入れると聞きました」と熱い思いをもって参加していた。日本の農業の見直しの時代に対応した当校は「農業法人やバイオ、食品加工、獣医関係の就職を目的」とした大学生の募集に今回初めて踏み切った。広い意味の農業技術者の育成である。実は、本日は地方の理工系の有名大学フンイエン技術教育大で、今まで通りの恒例の「日本のメーカーで正社員エンジニアとして就職しよう」のセミナーがある。今日は不安がないと言えば嘘になる。日本は怖い。地震が不安だ・・まだこれは良いとして「放射能が怖い。今後どうなりますか。チェルノブイリの被害を超えそうですか?」「親が日本に行くなと言い始めた」と質問などで言ってくることが予想される。僕のプレゼンも頭から「心配ないよ、日本は今後すぐ立ち直るよ」と言うつもりだけれど、本気で何処まで言えるのだろうか。
・・・・以下、ベトナムの人々の被災によせる感想、メッセージ、励ましなどの肉声です。また、ベトナムなどの海外報道も少し拾っています。12日13日は土日なので、あまり人に会っていないので、拾った声は少ないが14日月曜あたりから増加しました。
■1 可哀想で悲しくて涙が止まらない・・・・・12日ブオンの電話での言葉
■2 津波は仕方ないが、地震による倒壊が少ないようだ。流石に日本の建築技術は凄い・・・「テレビのコメント」だとブオンから
■3 「凄い、大災害なのに、日本人は冷静にお店で行列してる」・・・・・ブオンのコメントと、テレビのコメント
■4 食品などの値上がりがない。価格をつり上げる悪質な商売人がいないようだ・・・・・テレビコメント
■5 あなたの家族大丈夫ですか・・・・・鈴木先生が13日日曜に掛かったベトナム人医者
■6 インドネシアでも凄い津波があったし、何処でも災害や地震はある。だから、日本に行くことに全く問題ない。・・・14日朝当校学生タン君
■7 日本の総ての皆様に心からの哀悼の意を捧げます。・・・・14日13時半 フンイエン技術教育大での当校主催のセミナーにて、開会あいさつの冒頭で副学長が神妙な面持ちで述べた
■8 これからの日本は大丈夫でしょうか。・・・・・フンイエン技術教育大学で約600名が集まった当校募集セミナーにての学生の質問(地震と津波のことは当方から冒頭で明確に現状を話したので、意外にこの関係質問が少なかった。)
■9 日本企業の採用に影響があるか。・・・・会場での質問
■10 地震があって親が日本行きに反対していますか?の当校教員からの質問に、苦笑と照れ笑いを交えながら30〜40%の学生挙手。
■11 日本で働きたいか?の当方からの質問に会場を埋めた約600名の大半が「おおっー」と元気に挙手と歓声。・・・このパワーが嬉しいね。
■12 子供たちがたくさん亡くなりました・・・・・ブオンが14日晩飯後に、しばらく号泣続く。
■13 Dear Abe san,
Nghe tin dong dat tai nhat ban
Ngai co sao khong ?
Muc do anh huong den cac doi tac nhat cua Vci the nao?
Toi xin chan thanh chia buon cung ong den cac doi tac va thanh vien cua Vci tai Nhat
Tran trong
Best regard
Hung LEO
Yahoo Id: hung_lt
Software engineering Dept
Hanoi University of Science and Technology
翻訳「ニュースを見て、日本の地震・津波が大変でした。とてもおろおろしました。阿部さんのご家族をはじめVCIの日本人パートナーは大丈夫でしょうか?無事にお祈りします。」・・・15日 ハノイ工科大学情報技術工学院フン教授からのお見舞いメール
■14 いつもお世話になっております。テレビでニュースによると地震と津波が大変でしょうねぇ。皆様は大丈夫でしたか。皆様及び皆様のご家族のご無事をお祈りいたします。今後もよろしくお願いいたします。
Pham Thi Hien Sales & Marketing Executive・・・キンバリー不動産のヒエンさんから日本語でお見舞い
■15 阿部さん 3月11日、仙台を含む東北地方には大変な地震・津波はあり、大きな被害は起こっています。
この大被害にベトナム国民も大きなショックを受けております。阿部さんのご家族、ご親族、お知り合いの方々の状況は大丈夫でしょうか。心配しています。ご連絡をお待ちいたします。THU・・・・・運輸交通省国際局次長ツーさんからの日本語のお気遣いメール
■16 日本の全国民の皆さんにお見舞い申し上げます。・・・15日13時半、ハノイ工科大学機械学部DASIセンター理事長のフン教授の当校との会議での冒頭の挨拶で
■17 AFP、ロイター、BBCのニュースソースのベトナム版各電子新聞記事では「日本の建築技術の高さ」が最大限の言葉で記述されています。また「混乱やパニックを引き起こさない文化の高さ」も記事としてたくさん見受けられます。ベトナム人はそこに凄く感動しているる。・・・・ブオンや、経理のスタッフのフオンさんの言。
■18 これは、ドイツ人からの情報です。たまたまドイツにいた成蹊の先生の「ドイツ人の感想」の報告、15日・・・・
「日本における地震への全般的な対応は、ドイツでは高く評価されている。テレビや新聞では、第一報にすぐ続いて、日本人が日ごろから地震に備えていることが繰り返し報道されている。小学校の防災訓練や特別学習の記録映像、会社にヘルメットや非常用食料が常備されているというエピソードは、こちらの人びとにとっては驚嘆の的だ。世界最先端とされる地震予知や警報のシステムについても、敬意をもって伝えられている。だからこそなおのこと、今回の大震災は、日本人が可能な限りの準備をしていても食い止められなかった、「人間の能力と予測を超えた惨事」とみなされている。そして、そのような惨事に見舞われ、先の見えない不安にさいなまれる中、家族と連絡を取るために公衆電話に列を作る人たち、体育館に避難して時を過ごす人たちの「冷静さ」は、ピンチに直面したときに発揮される日本人の強みと受け止められている。
大きな混乱と悲しみの中におかれている方々にとって、このような表現を用いるのは失礼かもしれない。しかし、少なくとも今のドイツから見る限り、東日本大地震は、日本という国に対する外からの期待にこたえ日本の国際的な評価を高める、千載一遇の機会である」・・・・・ベトナム人の把握の仕方と概ね同傾向のようだ。
■19 ついでだイギリスのマスコミの様子(朝日新聞より一部)も・・・ *報道のトーンとしては、日本に対する敬意がいろいろな箇所ににじみ出ている。「地震がたくさん発生する国日本で、今回これほどの地震と津波が起きた」「地震に対しては準備万端だったろうけど、津波は防げなかった――でも仕方ないだろう」「地震対策はすごいはずだが」「私たち英国人のアドバイスなどは、あまり参考にならないだろうが(日本には相当な知識と技術があるのだから)」――という表現をよく聞いた。「敬意」というのは、もしかしたら、やや「劣等感」あるいは「気後れ感」もあるかもしれない。何せ、ちょっとしたことで電車が止まり、交通状態が麻痺してしまったり、郵便が届かなくなるのが英国だから。2012年のロンドンオリンピックも、まともに交通機関が動くと信じている人は少ない。必ず何か失策が起きそうである。地震発生2日目に犠牲者が数百人規模で出ていることが分かったので、明日以降の新聞はまた別のトーンになると思うが、とりあえず、発生の夜に作った、本日付の各紙は6ページほどの特集がザラだった。フィナンシャル・タイムズは、希望的観測の論考が多い。神戸の地震(1995年)と比較して、当局が着々と救済策に力を入れていることを誉め、「日本はこれをきっと乗り越える」という結末など。例えば社説の見出しは「日本は自然災害を吸収する」である。・・・・好意と敬意がイギリスでも見えているね。有り難いね。
■20 ついでに英国もう一本。・・・・
【ロンドン=鶴原徹也】英メディアは連日、東日本巨大地震の被害と福島第一原発の状況を大きく伝えている。共通しているのは、日本国民に対する同情と支援の姿勢であり、悲劇に冷静に対処する日本人の「回復力」への評価だ。
インデペンデント紙(13日付)は1面の全面に大きく「日の丸」のイラストを掲載し、日本語で「がんばれ、日本。がんばれ、東北」と書いた。デイリー・ミラー紙(14日付)は1面の題字下に「日本、みなさんは一人じゃない」とやはり日本語で書き、社説では「日本は復活する」と強調した。
一方、ザ・タイムズ紙(14日付)社説は「日本国民の回復力と政府当局の迅速な対応を称賛する」と表明した。デイリー・ミラー紙(14日付)は宮城県南三陸町の被災地ルポを掲載し、「泣き叫ぶ声もヒステリーも怒りもない。日本人は黙って威厳を持ち、なすべき事をしている」と伝えた・・・・・・・なんだか、世界の評価は本当に嬉しいね。力付くね。日本のプレゼンスが、急上昇して欲しい。それを阻害しているのは放射能だけだ。
■21 これからの日本が心配です。どうなるのでしょうか。・・16日当校スタッフのルエンさん
■22 今すぐでも救援に行きたいです。寄付は何処ですればいいのでしょうか。毎月100ドルぐらいしたい。・・当校の総合管理部長のゴックさん。お気持ちだけで感謝です。
■23 中国の感想・・・ 「(こうしたマナーの良さは)教育の結果。(日中の順位が逆転した)国内総生産(GDP)の規模だけで得られるものではない」との説明が付いた。この「つぶやき」は7万回以上も転載。「中国は50年後でも実現できない」「とても感動的」「われわれも学ぶべきだ」との反響の声があふれた。大震災を1面で報じた12日付の中国紙、環球時報も「日本人の冷静さに世界が感心」との見出しで報じた。(共同)・・・・・中国人からも賞賛だね。
■24 大変なことはニュースでみた。阿部さんの仙台の家族はどうしていますか。学校の日本人先生の家族は、問題ないですか。必要なら、元気をつけるためにしばらく、学校の日本人先生のための美味しいランチを毎日作ろうか?・・・ブオンの母親からの電話(でも義父が病床にあるため、丁重にランチはお断り)
■25 阿部 様 !
大きい地震と津波ができました、阿部様大丈夫ですか、ほんとにJapanに安全を折っております!お元気で!・・・2月末に千葉県の企業に行く予定で、たまたま予定が遅れて、まだハノイにいたカイ君からの心配のskype。
■26 こんばんは、
このたび、東北地方を中心に襲った地震・津波が5日たったが
被害は拡大しつつ、寒い日々が続く中、避難生活を送っている人々は
本当に大変です。心から皆さんの平安と復旧を願っています。
ちなみに、阿部先生のご家族や親友は無事でしょうか?
おかげさまで、僕を含めて日本にいるVCIの皆も大丈夫だそうです。
では、連絡お待ちします。ティン。・・・・16日夜、当校第一期卒業生(2006年4月日本渡航:ハノイ工科大卒)のティン君からの日本語メール。とても嬉しいですね。
■27 日本国民のために皆さんお祈りをいたしましょう。・・・16日22時半のベトナムハイフォン(地域)テレビのニュースでの女性キャスターの呼びかけ
■・・・・次の項《2》につづきます。・・・・
■《ブログご高覧感謝》
僕の人気・ページビュー多いタイトルと日付け、紹介しておきます。
以下は、毎日100人以上の”人気”ページです。ぜひ、ご高覧ください。
多いのは一日1400名閲覧もあります。
・2008年11月 赤塚不二夫先生のこと
・2009年1月 「ジャクリーヌ・ササールとかBB(べべ)とか」
・2009年5月 ゲバラの映画「モーターサイクルダイヤリーズ」
・ 5月 カムイと名著「ベストアンドブライテスト」
・2009年10月「救うのは太陽だと思う」
・2009年12月「爆笑問題の失笑問題」・・・・・1日で1440のPV
・2010年1月 阿倍仲麻呂はハノイの知事である。
・2010年2月 MAC・MAC / 立松和平さんの死。
・2010年3月 「サンデープロジェクトの打ち切り秘話」
・2010年12月 映画「ノルウエーの森」の失態
・2011年1月 「お笑いの山崎邦正のベトナムアルバイト」
・2011年3月 メイドインジャパンから「Made by JAPANESE」の時代認識へ
3月 「大震災をベトナム人は語る」
・2011年4月 映画「東京物語・荒野の7人・シンドラーのリストほか」
これからも、よろしく、ご高覧ください。阿部正行
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