2010年10月24日日曜日

「かわいい」と経済学への信奉

僕がよく見る番組の一つにNHKの「東京カワイイ」がある。沢村一樹とか、一緒の女の子たちのキャラが不思議と良い。「カワイイ」という概念は「COOL JAPAN」と同様にいま、その「感じ」というか感覚は世界中の若者を席巻している。この番組は次週からベトナムでも放送が開始されるらしく、そのオープニングに日本にいるベトナムの「カワイイ」が登場する。それに選ばれたのが、ハノイの当校に長くアルバイトしてくれ、その後に横浜国大の大学院に入学して、引き続き東京の当オフィスでも1年ぐらいアルバイトをしてくれたPちゃんなのだ。美人で物怖じしなく、日本語と英語も堪能、その上優しさに溢れている最高の女の子だ。半年前に高田馬場で一度食事したぐらいで、去年からここ1年ぐらいはウチのアルバイトから離れているので、最近の彼女の環境をよく知らなかったが、本日の「東京カワイイ」を見ていたら次回の予告編に突如出て来た。流石の僕も驚いたぜ。そして、深夜「おめでとう」の電話さっそくしたさ。

ベトナムは今でも農業国である。だから、ベトナムの若者の親世代で、企業に居る、あるいは居たという人はかなり少ない。社会主義と言うこともあって、50才代以上の世代では、公務員やそれに準じた関係団体や教員、軍人というサラリーマンと小さな商店主以外は、大半は農魚民と言って良い。だから、若者は親の世代から「商売、ビジネス、経営、マネージメント」の経験や知識、文化、感覚などが継承されていることが本当に少ないのだ。でも、ベトナム戦争がおわり、ドイモイ政策がはじまって20年以上になるので、都市部の新しい世代には、職業の分野も広がりそれぞれに関する新しい伝統とその継承ももちろん生まれていると思われる。だから45〜50才代の比較的若い親世代は、多様な仕事に就いている場合もあるだろう。がしかし8600万人という東南アジアで最大人口の中(ちなみにタイ人口が6500万、カンボジアが1500万、ラオスは500万人)では、そういう多様な職業人はまだまだ、大都市に限られているだろうと思う。

多くのベトナム人は最近、ベトナム国内で見られるアメリカ、フランス、韓国、中国のテレビチャンネルでいろいろな仕事や企業、ビジネスを見る機会も多いはずだ。しかし、見てるだけなので職業感を育成してゆく様な認識にはなっていないね。その上、各大学は、カリキュラムが古くさく教条的で、「進取の精神」が欠落しているので、授業の中で、多感な学生の心を揺り動かす職業:仕事と出会えるような環境にほとんどなっていないから。煎じつめると大学と大学の教員が学生の就職にほとんど関心がないからである。その点、理工学部の学生は、文化系に比べて「最新技術」など自分のこだわりや確信を持てる機会が多いので、当校出身者を見ていても、まあまあ安心できる。従って、文系に話を移す。例えば、日本の場合、IT企業のオペレーターやエンジニアで、文化系出身者も多い。特にアプリ系なら、比較的文化系の人間が入りやすいと聞く。日本では別に珍しいことでは無くなった。でも、ベトナムでは、発想上もあり得ないし、学生自身もまったく、そういうことは視線に入りようがないはずだ。以前もこのブログに書いたが、僕の周辺の文系の留学生は何故かしら、全員「経済学」という特徴のない分野で日々研鑽に努めている。僕はお節介とは思いながらも、そんな分野勉強しても、役に立つとは思えないし、ベトナム人同士の「経済学」競争も大変だから、経済学部の大学教授やベトナム政府の経済系高官を目指すのならともかく、ここは日本なのだからさ、歌舞伎、浮世絵、華道や茶道の研究するとかさ、あるいはアニメ、マンガ、ゲームなどのサブカル、またはジャーナリズム学、観光学、交通政策、環境政策などなど、学ぶべき分野は広大に存在しているぜ。君の未来は無限に広がってる。とうんざりしながらも、何回かアドバイスしたんだ。

まあ、でもね、僕の周辺の彼らは多様で新しい職業感を持っていない「親の意向」とか「経済は下部構造だから、基本だ」というマルクス主義的なベトナムの知識階級の既成概念の頑迷さのなかで、悩むけれども変えることはなかったね。余計なお節介なのだが、人生の先輩として、また「リクルート社」にいたプロとして、口説いたりしたわけだが、そこはどっこいベトナム人は頑固なのだ。戦術的にはひどく柔軟で、僕など卒倒するほどの斬新発想体験を何度もしているが、「目的や目標」に対しては頑固一徹なのだ。ご多分に漏れず横浜国大のPチャンももちろん経済が専門だ。アルバイトで来ていた当時、僕はランチを一緒に食べながら(彼女がまだ、横国に入る前で、選択の余地があった時)日本の伝統美術の研究とマスコミなどの関連の話題をよく話しては勧めたものだ。その彼女が今度NHKで「モデルデビュー」さ。いいねえ、そういう現場で、日頃知らない新しい「人種」や全く知らない「文化」と交わるのは良い刺激になるだろう。彼女の自分の将来イメージも一気に膨らむんじゃあないかなあ。良いことだね〜。いずれにせよ、努力の人だから、彼女は何をしてもきっと成功するはずだ。かんばれ、Pチャン。チャンスを掴め!

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