2011年6月10日金曜日

日本を超えた韓国人気!!急げチャンネルニッポン開局!!

前項の「留学生問題」に続いて、それにも関係することだが、日本のプレゼンス:魅力の低迷について、語っておきたい。今回ここで言いたいことは、日本が好きな人が多いベトナムでさえ、いつの間にか韓国贔屓(ひいき)が急増していて、日本への関心や興味にまさる勢いだ、というかもう超えられている現実を伝えておきたいのだ。言っておきますが、僕は韓国や中国が嫌いだというような偏狭な愛国主義者じゃあ決してないし、排外的な感覚は一切無い人間ですよ。つまらない勝ち負けを煽るつもりはありません。

韓国(人口4800万人)の「コンテンツ戦略省」と言うのかどうか解らないが、その例の省庁が5〜6年前に出来てから、例の韓流恋愛ドラマは世界的な認知になったし、それだけで無くインドネシアのある地域は「ハングル」を公用語と定めた。中国語のPR機関であり、学校でもある孔子学院は日本含めアフリカなど世界各国に戦略的に設置されている。アフリカでの中国語公用も進んでいる。(*下記に日本の海外広報の無さを書いた記事を添付した)海外広報は戦略的に推進した方がすぐに優位に立てる。戦略と物量の誰でも解る関数だ。

日本の恒常的な主なものといえば、NHK国際放送の日本語と英語の放送のみ。コンテンツはニュースを中心に毎日3時間分しかなく同じ番組を毎日4回くり返しているだけなのだ。これは、外国の現地の国民に見て楽しんでもらおうと言う趣旨ではなく、海外にいる日本人サービスのためのものだから、つまりは恒常的な海外PRのためのツールというか、インフラが無いというお寒い状況にある。

そこで解りやすいように日本語の「凋落」ぶりをあえて、現象でお伝えしておく。世界各国の「日本語ブーム」なんて、10年前までの幻想なのです。少なくともベトナムではね。
1 ベトナムの大変有名で歴史在るDZ日本語学校は、以前まで年間5千人ほどの日本語を学ぶ生徒を預かって来たのですが、去年などは2千人程度までに落ち込んでいる現実。
2 あるハノイの有名大学の日本語学部では、学生の定員を集めにくくなっていると教授にお聞きした現実。
3 HCMC国家大学の人文社会科学大学の東洋学部から、日本学科は、近々学部として独立予定ですが、韓国学科は、既に学部として独立している現実。
4 英語と日本語を学んでいるブオンの娘(中学校1年)は、毎日欠かさず韓流ホームドラマを2〜3時間嬉々として見ている現実。クラスの多くもそうらしい。
5 そして、書店では大きな変化もあった・・以下読んでください。

括弧内は去年ニュースに書いたものだが、事態は急変しているので、お知らせしたい。
「・・・・僕の本の出版のことで、調査としてハノイ市内のホアンキム湖脇の大手書店を見に行った。前より単行本のデザインが明るくなり種類も多種多様になってきた事がハッキリ分かる。日本語 関係の棚に寄ってみた。大分辞書なども充実してきている。5メートルほどの長さの棚は、それなりに配慮された配置にもなっている。その向かい側に韓国語関係コーナーがあり、日本語コーナーと棚の面積と扱う数量は同等かな。だが、だが、中国語コーナーは、何とざっと3倍はあろうか。日本語の棚の3倍以上の面 積を中国関係の書棚が占めているのだった。中国語熱というか、その勢いは知っていたが、書棚の大きさでその差が歴然としていることを思い知らされた。ス タッフのNGOCさんにかつて居た外国語大学のその時代の各国学習者の比率を聞いた。勿論英語は必須なので、欄外だが、彼女が言うには当時「中国語学習者 人数を仮に10とすると日本語学習者は3。コリアは1だそうだ。・・・」これ、去年書いたものです。

本年5月、実は同じ書店に行った。事態は変わっていた。中国関係の書籍の量は相変わらず、英語関係に続いて多いわけだが、実は韓国の棚が2棚になっていたのだ。スタッフが数年前に学生であった時代は上記にあるように日本が3なら、韓国は1の相対的な認知度であったのに、去年本棚の数は1:1になっていたのだ。ぐいぐい追いついて来ていたのだ。そして本年は遂に2棚になっていたのだ。韓国は日本の2倍の本棚数になっていたのだから、事態は深刻と言っていいんじゃあないか。

本屋の棚の数なんて、どうでもいいやとか、「そんな些末なこと」だと思っても良いですよ。でも、マーケティングに長く携わってきた僕の目からすると、こういう「つまらない動きのそばに真実がある」と学んできた。国民の嗜好や志向は、音楽のリクエストの数とか若者街に転がっている「些細なこと」に新しい趨勢が表現される場合が多い。上記の情報は、確証的なものではないが、その趨勢はすでにはっきりと現されていると見た方が良い。下記の新聞記事原稿にも書いたけれど、24時間毎日、美男美女の美しい恋愛を放映していれば、いつの間にかコリア式生活に親しみを感じてアイデンティファイされるのは生理的に当然だろう。僕らが、少年の頃「ローハイド」「パパ大好き」「名犬ラッシー」「陽気なネルソン」「幌馬車隊」「奥様は魔女」「ルート66」などで、アメリカの価値観を「学んで」大人になったようにね。

政治には幻想を全く持っていないが、志在る経産省と外務省の中堅が、「これじゃあ、まずいぜ」と言い出さないのだろうか。
もう、道路、橋、ダムにODAの数百億を費やしている場合じゃあないよ。海外PRに全力を注いで欲しい。すべて現地語による現地の国民が楽しめる「チャンネルニッポン」テレビ局の設立が急がれる。海外広報協会なる政府外注機関のWEBサイト見た。まさに笑止千万です。

・・・・・・・以下、記事の生原稿・・・・・(ご参照)

             ニッポン海外広報考
〜海外諸国の庶民の理解と好意を本気に求めたい〜

私はこの十数年ほど、ベトナムのハノイ市と日本をほとんど毎月往復している。ハノイにも家があるのでテレビ番組を見ることも多い。彼の国のテレビ番組で特徴的なことは、いくつかのチャンネルで「ディズニーチャンネル」「韓流ドラマ」「中国歴史ドラマ」を朝から晩まで放映している事だ。チャンネルを回してあちこち見ているが、それらは洪水のようだ、と言っておこう。

私は団塊の世代である。私たち少年少女の当時の世界の中心は「ぼくら」「なかよし」「冒険王」「少年サンデー」「少年マガジン」などのマンガ誌と数々のアメリカ製テレビドラマであった。
『うちのママは世界一』『パパ大好き』『ビーバーちゃん』『名犬ラッシー』思い起こすだけでも楽しい。『ローハイド』『名犬リンチンチン』『ルート66』『ララミー牧場』なんて格好良いのだろう。毎晩僕らをわくわくさせたハリウッド製プログラムの数々。僕たちはこれらのアメリカ映画を見てアメリカ市民の生活に憧れ、勇気と正義を学んで大きくなった。大人の背丈もある冷蔵庫、大きな牛乳瓶、そして各家庭には必ず大きな車が在ることを知ったのであった。

聞くところによると1950年代当時に日本のテレビの各キー局では、それらのハリウッドテレビドラマをほとんど無償か超廉価で仕入れて放映していたようだ。言うまでもない。アメリカの組織的文化戦略の一環であったからだ。ごはん食でなくパン食の積極普及とか大家族から核家族への社会的再編作業などと、これらハリウッド製テレビ番組の広範な放映は文化・広報戦略として一体であったのだ。僕らは、当時無自覚だったけれど。

アメリカはおそらく、戦後の日本での広報戦略スタイルをこの60年間、世界中で継続しているだろうと思う。結果、英語の普及は地球上で圧倒的だ。中国も孔子学院を使い同様に広報に力を入れ始めている。韓国では最近コンテンツとその販売の世界戦略を統括する省庁が発足した。日本への「韓流モノ」の攻勢もその一環なのだろう。

一方、日本はどうか。私は今ベトナム以外の事情には不案内だが、国民の大半が日本を敬愛しているベトナムに於いてさえ、テレビなどを通じた広範な国民への広報活動は完全に出遅れている。

はっきり言って、日本の良質な番組を日本政府は日本の各テレビ局や映画会社から計画的に買い上げ、アジア各国の主要メディアに無償で大量に供給したらいい。各国の国民が現地語で視聴できる独自の「チャンネルニッポン」を各国に設置することだって不可能ではない(NHK国際放送は各国在住の主に日本人向けの日本語放送のみ)。現地新聞の活用とか、現地語のインターネットWEB展開など経費「縮減」の施策はいくらでもある。

世界語になった日本語は多い。中でも「もったいない」が世界語になったことは、環境を大切にする新しい時代の嚆矢だろう。日本古来のリサイクルシステムや節約の心から最先端技術まで、私たちが東の端から世界に提案し広報するものは少なくない。 *2009/12 
  
日刊工業新聞「主張」記事は、本ブログ2011年2月のページに掲載 pdf                             以上。

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